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2010年8月26日木曜日

『商店街』を守ろうよ!


 3年ほど前まで,ボストンには老舗の日系食料品屋さんがありました。
1961年の創業で お店の中はいつも整理整頓が行き届き、きれいなお手洗い、親切で穏やかなお店の人の対応、聞こえてくる日本語、私が懐かしいと思う日本があふれたお店でした。
しかし残念なことにお店は閉められ、お店を追うように社長さんだった古川義子さんも亡くなられました。
 古川さんはボストン日本人会婦人部の大先輩、私もお葬式に参列しました。
その時に ある方がお話されたことが、今でも私の胸に印象深くのこっています。

 その方は1950年代、アメリカ人のご主人と結婚されてボストンへいらしゃいました。
強い決意を持って海をわたって来たけれど、ご主人の親兄弟はもちろん、近所の人さえも自分と目もあわせてくれない。話しかけてもくれない。ご主人の優しい支えのもとお嬢さんにも恵まれたけれど、もう、自分でもおかしいと思うほど気持ちが追いつめられていたそうです。
 そんなある日、風の便りに Cambridge にアジアの食べ物を売るお店ができたと聞いたその方は いてもたってもいられず、聞いた次の日に、2歳になるお嬢さんの手を引いて早速出かけて行ったそうです。
 恐る恐るお店のドアを開けたら,古川さんが『いらっしゃいませ』と言ってくれたと。その方は「3年ぶりに聞く日本語でした」と、壇上で号泣なさいました。

 今は、変わることなく優しいご主人、そして立派に成長なさったお嬢さんに囲まれて幸せです。でも、あの時に『吉野屋さん』そして古川さんがいらっしゃらなかったら・・・と涙を流しながらお話されていました。丁度そのとき私の娘も2歳、娘の手を握りながら、どんな思いで、こんな小さな手を握りしめながらお店に出かけたのだろうと、胸に迫るものがありました。

 今、私たちの暮らしはインターネットにも恵まれ、日系食材も簡単に手に入れることができます。中華街、韓国系スーパーにでかければ、日本で暮らすように「底値買い」をすることも可能です。でも私は、ちょっと立ち止まって、日系のお店を皆さんと一緒に守りたいと思うのです。
 この国で暮らす私たちにとって、日系食料品屋さんはまさに小さな日本。懐かしい味も、日本で話題のお菓子も、そこに出かければ主役で存在しています。そして、ひとつのお店ではあるけれど、小さな『街』でもあると私は思うのです。
 
 ひと昔まえ、日本中至る所にあった商店街。商店街では沢山の人が集り、人々の交流がありました。でもよくいわれるように、大型量販店におされ、そのような商店街は元気をなくしています。そして元気をなくすどころか、無くなってしまった街もいっぱいです。『街は人がつくる』というように、お店があっても集う人がいなければ、街はなくなってしまうのです。
 
 アメリカ国籍をもつ子ども達、多国籍の友人達にも恵まれ、私はこの国で暮らせることを幸せに思っています。でも、やはりネットの世界にはない、日本を感じたいと思う時があるのです。そんな時、フラッと出かける街。そんな日系コミュニテイーの『街』を守りたい。商店街のお店の人達が、自分たちの商店街を守るためにお互いに、互いの店で買い物をする。そんな気持ちで日系のお店にもでかけてみませんか?と、私は提案したいのです。いかがでしょうか、ご賛同いただけますか?(笑)

 さて、それならどうするか??
1セントでも安いものを探したい主婦魂からいうと、いくらコミュニテイ―のためとはいえ財布の紐を緩める余裕はありません。そこで私が利用しているのは大量買い、箱で買う買い方です。
よく笑い話になる20パウンドのお米が一週間で消える我が家・・・
「そんな箱買いなんて、あ〜たンとこみたいな大食いの家でなきゃできないわ」と、悪友の声が聞こえてきそうです。
でも、生協さんのような共同購入だと思えばいかがでしょう? 
数人のグループでいろいろな品を箱で買ってみる。それをみんなで分ける。そのような買い方です。
 私がEBISUYAさんでの箱買いを始めたら、友人のHirobinが、早速『NOBUKOYA』という名前をつけてくれました。

 おいしいキムチ、丁度良い脂がのったお肉、おもしろい食材。そんなものを求めて、私はこれからも他のアジア系のお店に出かけます。でも、日系の食材だけは、こんな箱買いを続けてみようと思っているのです。
 ご賛同いただけたら、友人達よ!どうぞ「NOBUKOYA」にお出かけください。
そして一緒に私たちの『商店街』を守ろうよ。
いつまでも、私たちの そが聴けるように、ねっ・・・



















 懐かしい根津の商店街の写真をみつけました。
よく、自転車で買い物にでかけたな〜(遠い目....)


追・・・

 私があんまりまとめ買いをするから、何だか「売りさばいてる」とでも思われたのかなあ・・・店長さん(笑)
でもね、我が家は本当にいっぱい食べる家なんです。

の『我が家の台所』をみていただけたら、どれだけ消費されているか
ご理解いただけるかも(大笑)



4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

信子さん こんにちは。この間はばったりとウィルソンファームでお会いして嬉しかったです。ウィルソンファームのコーンは相変わらず絶品ですね。

私もエビスヤさんには特別な感情を持っています。商店街、いい例えですね。日本人のコミュニティ、大切にしたいです。

Studio Hyacinth さんのコメント...

コメントをありがとうございました。
せっかく開店してくれた「EBISUYA」さん、是非 元気いっぱい育ってほしいですよね。
シソもいっぱい出てますよ♬ 
NOBUKOYAにも,是非出かけてみてね(笑)

Unknown さんのコメント...

最近、Twitterつながりで海外で生活されている日本人のBlogを良く見ます。とりわけボストンは住みやすそうで、興味を持ち始めています。

写真を見ると森の中の一軒家での生活は恐くないのかな?虫嫌いな娘は住めないだろうな・・・など思ったりしてます。

これからも日々の生活を興味深く拝読します。

Studio Hyacinth さんのコメント...

英章さん

 コメントをありがとうございました。
でも、残念ながらそんな田舎暮らしをしている訳ではないのです。田舎暮らしにも憧れますが、我家はボストンダウンタウンから車で20分ぐらいの住宅地です。
でも、昨日は大きな狐が私の車を横切っていきましたよ(笑)