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2009年6月14日日曜日

お桑はどこ?


 ここのところ次男坊は
Silkwormに夢中です。お兄ちゃんが小さい頃,私と一緒に作った『シルクのうちわ」にも目を輝かせて、自分も作ってみたくて仕方がないようです。
でも,それを作ったのは日本にいた頃のこと。こちらでSilkwormを見つけて飼ってみたことがあるのですが,どうしても繭を作る前に死んでしまい失敗ばかりでした。 

 日本にいる頃に,群馬県でくらしたことがありました。女工哀史、養蚕で有名な土地です。確かお兄ちゃんが2歳ぐらいの頃、日本絹の里というところで,おカイコをわけてくれるという話しを聞いて大喜びで出かけて行きました。4令幼虫ぐらいの1センチ弱のおカイコと、おおきな羊羹のような飼料をいただいて,20個くらいの繭とシルクのうちわを作り,今も大切に飾っています。

 お兄ちゃんが今の次男坊くらいの頃,やはりSilkwormに興味を持って育ててみたがりました。Insectlore という会社からSilkwormを取り寄せてみると,小さな容器に1/2カップにも満たないエサがついていて,本当にこんな物で育つのだろうかと思っていたら,案の定失敗してしまったのです。再挑戦と思って,また取り寄せても失敗してしまいました。
 ちょっと怒って会社に抗議すると、いかにも私の育て方が悪かったと言わんばかりの対応に不信感をつのらせたのですが,今回次男坊が欲しがって背に腹はかえられず、またその会社のサイトを調べてみると今度はエサまで入れたセットを売ってはいません。やっぱり,私のように怒っている人がいっぱいいたんだわ・・・と思ったら、今度は壁にぶち当たりました。

  Be sure to have fresh Mulberry leaves on hand to feed your new little pets when they hatch!

・・・と、いうのです。

 そうか,お桑ね・・・と思って園芸店に行っても売っていません。それならネットでと思って調べて買おうと思ったお店はオーストラリでアメリカには送ってもらえないのです。アメリカ国内で発送してもらえるお店の品は100ドル以上でとても私には手が届かず暗礁に乗り上げました。

 次男坊もがっかりして寝てしまい、私も悲しくなり,あ〜あ日本にいたら,菓子折り持って養蚕農家さんにお願いにいくのに・・・などと思っていたら,ふっと気がついたのです。あの実!あの葉っぱ!!!

  次の日の朝,明るくなるのを待って雨の中、庭に出て裏の家の境にはえている木の葉と実をとって来ました。早速調べてみると,何と私が探し求めていたMulberryだったのです。White Mulberry 、New Englandに自生する種でした。灯台下暗し、何と探し物は家の中にあったのです。
 群馬で桑畑をよく見かけていたので、私は勝手に桑という木は低いものだと思っていたのでした。まさか,こんな10メートル以上のおおきな木が桑だとは想像もしていなかったのです。

 次男坊も大喜び,エサも確保出来たところで,早速 Silkworm を注文しました。
でも,ちょっと心配ごともあるのです。Mulberry といってもいろいろ種類があるようで、我が家のMulberryは
 White Mulberry。日本の桑畑で見ていた葉っぱとちょっと違うような気がするのです。

 大喜びする次男坊に『でもね。失敗するかもしれない。でも失敗したら、またそのとき考えましょう』と言っていたら、横で夫が大笑いしていました。私の人生,そんなことの繰り返しなのかもしれませんね。

2 件のコメント:

Jane as Junosq on Twitter さんのコメント...

実際蚕を飼われたなんて、ドキドキしますね。小さい時に憧れたものの、叶わなかった夢でした。わぁ、なんていいお母さんなんだ(涙)。Twitterでお知らせ頂いてこちらのページ拝見しました。着物は織が好きなので糸の産地や蚕の種類にはとても興味があります。こんな小さな身体で糸をつむぐ蚕って健気ですよね。お子さんの好奇心に付き合って優しく見守るお姿に心がとても温まりました。素敵なブログ、これからも楽しみにさせていただきます。

Studio Hyacinth さんのコメント...

Janeさん、コメントをありがとうございます。
「いいお母さん」も何も、私が面白がって,子ども館と一緒に楽しんでいます。
 
 これを書いたのは2年前で、去年はこの年の子ども達がいっぱい育って、ちょっとした「養蚕農家ごっこ」のような夏でした。
お桑探しをしたのが嘘のようで、マルベリーは本当に雑木としていろいろなところにはえているのですね。

 今年もいっぱい育てる予定です。

 Janeさんと一緒で私も着物が大すきなので、このように生き物が育てた糸が、沢山の人の手によって、あの美しい着物になることに本当に感動します。そして、くず繭、どんな糸でも大切にしたい気持ちが心からわかるのです。紬の美しさも格別です!